Wednesday 30 March 2011

被災者からの手紙

私が講師としてお伺いさせていただいている東北芸術工科大学にて、
昨年の夏にテレビユー山形(TBS系列)のアナウンサーである、
結城晃一郎さんにお会いしました。

同世代ということで、すぐに話が合い、
初対面という気がしませんでした。

先日、彼のブログを拝見していたところ、
被災者からの手紙」というタイトルがありました。
それは被災した学生さんから結城アナウンサーに託された手紙でした。

転記することについて快諾を得ましたので、
そのまま掲載させていただきます。
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私の親族は被害のひどい石巻市という場所で被災しました。
ありがたいことに全員無事であることがわかりましたが、
家は冠水しており復旧にはどれだけの時間がかかるのかわかりません。

他の親戚もそれぞれ被害の大きかった沿岸部に住んでいたため、
現在安否不明。
報道されていない地域ですが、19年過ごした地元は津波で流され、
水死体が放置されている惨状です。

被害者家族として、皆さんにご理解していただきたいことがあります。

被災者のために現地や避難所に行きたい、と意気込む方も多く見られますが、
そのような支援は求められない限り不要です。
現状では「学生だからこそ被災地にできること」というものはありません。

また被災者と第三者の意識には大きな差があるように思います。
震災から一週間、被災者は非常に苛立っており、
第三者のどのような行動でもトラブルを招く可能性があります。
自分はどうなってもいいという覚悟がないのであれば、
被災者と直接関わろうとしないでください。
残念ですが、その行動が「迷惑」になってしまいます。

そこでお願いがあります。
被災者や被災地に何かをするのではなく、
それ以外の地域を元気にする企画をしていただけないでしょうか。

またツイッターやネットをしない方たちに、
有用な情報を伝えていただくだけでもとてもありがたいです。
今回の震災についての情報格差は本当にひどいものだと肌で感じています。
買い物に行くと、お年を召した方に限って買占めをしているように思いますし、
放射線のことなども数字に振り回されている方がとても多いように思います。

今一番危惧していることは、何か大きなことをしたい!という学生や一般人が、
被災者や、安否を確認しに現地に入った家族、行政、
自衛隊の邪魔になるような行動をすることです。
そのような方たちを抑制することも、今大切なことだと思います。

何かしてあげたいと思ってくださるみなさん。
本当にありがとうございます。感謝しきれません。

稚拙な読みづらい文章で申し訳ありませんでした。
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この文章を読んで、
改めて自分が今、何をすべきなのかを考えています。

結城アナウンサーとのメールのやり取りの中でも、
「普通に話をして、普通に笑いあえることがいかに幸せか」
をお互いに痛感しています。

仙台を中心に、少しずつホテルの営業再開の連絡が入り始めました。
出来る限り、現地で働く皆さんの声を伝えて行きたいと思っています。

学長

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